宮城県等の最低賃金の推移について

 1.はじめに

 地下鉄の広告で宮城県の最低賃金を知り、私が知っていた(思っていた)金額よりも大分上がっていた。現状を把握するため、宮城県や主な都道府県の最低賃金の推移を調べてみた。

 

 2.最低賃金の推移

 出典(厚生労働省 雇用・労働 「地域別最低賃金の全国一覧」「平成14年度から平成28年度までの地域別最低賃金改定状況」<http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/>平成30年1月17日アクセス)

 3.感想等

 宮城県はこの10年で、133円も上がっている。全国加重平均額は、この10年で161円上がっている。一番高い東京都と宮城県の差は、平成29年度で186円となっている。私の中では宮城県は600円台のイメージがあったので、現在の金額に驚いている。グラフを見ていただければわかるとおり、全国的に大きく上昇している。需要と供給によって、均衡点が決まると経済学では習うが供給(労働者)側に有利に推移している。体感としてはあまり感じないが、供給者が不足しているのだろうか。思えば、確かに仙台市の中心部のコンビニや飲食店を利用すると、多くが外国人の従業員だった。リーマンショックや東日本大震災があった年も含んでいるが、その期間も上昇している。需要(経営者)側から見れば、なかなか厳しい状況と言えるだろう。最低賃金で働きたいと思う人は少ないだろうから、アルバイトであってもある程度プレミアムをつけなければ人は来ないだろう。東京では、958円なので1,000円は必要だろうし、それでもこの上昇傾向の中で魅力を感じるかはわからない。また、北海道が思っていたよりも高く、宮城県や福岡県よりも高い。北海道は、平成23年度に福岡県を抜きそれ以降福岡県よりも高くなっている。大都市圏と比べると、宮城県が低いことがよくわかる。東北の中では、宮城県は当然一番高い。宮城県は、平成29年度において全都道府県中で29位である。宮城県は人口108万人の政令指定都市仙台市があり、暮らしにそれほど不自由はない。こう考えると、宮城県は安く人を雇える良いところなのかもしれない。参考までに、東北の他の県の平成29年度の状況は、福島県(748円、31位)、山形県(739円、34位)、青森県(738円、36位)、岩手県(738円、36位)、秋田県(738円、36位)となっている。全体として、思っていた結果とは違い全国的に右肩上がりに増えているのが最低賃金の現状であった。

 

 4.おわりに

 出典(厚生労働省「一般職業紹介状況(平成29年11月分)について」)によると、有効求人倍率は1.56倍、新規求人倍率は2.37倍となっている。この点からも需要が超過していることがわかる。労働者にとっては、以前よりも現在は良い環境なっているはずだろう。ただし、仕事の質や中身については、これらの数値は何の保証も与えているものではない。

 

閃光のクレア