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行政委員会制度等について

  前回、仙台市選挙管理委員会について書いたが、選挙管理委員会は市長の直轄の組織ではない。これは委員会制度というものであり、独立した機関として委員長を定めて、その委員長がその委員会を統括し代表している。この(行政)委員会には、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員会そして、人事委員会などがある。各委員会には所掌範囲があり、その範囲の所掌事務等を行う。わかりやすいところで言えば、教育委員会には教育長がいて、教育(行政)に関する業務を行う。教育行政に何か問題があったときなどは市長ではなく教育長が記者会見をして説明している。ここで問題なのは、独立についてである。仙台市を例にみれば、教育長をはじめ、監査委員の識見者枠等は仙台市職員の実質指定ポストである。そして、当然事務局長等の事務局は仙台市職員である。教育長等の人事案件は市長が提案して、議会が可決または同意して決まる。議会は住民の代表であるから、その議会が可決しているなら、何の問題もないとも言える。まず言いたいことは、委員会の代表や委員は、職員やそのOBOGである必要はない。事務局長等が職員であるので、内部的な事務手続きには精通しているはずであり、委員に必ず職員出身者を入れる必要があるとは考えない。いわゆる民間の企業では、会社法によって設置機関が定められている。会社法は、平成26年に改正されコーポレートガバナンスを強化する目的等で、監査等委員会設置会社や指名委員会等設置会社を設けた。外部から取締役を入れて、監督機能を高めて不正を防ぎましょうということだ。監査等委員会設置会社や指名委員会等設置会社の場合、委員会の過半数は社外取締役でなければならない。監査委員会において全員社外取締役であっても良い。外部からひとが入った方が、監督機能は高まるという期待のもとの制度であろう。このコーポレートガバナンスと不正を防ぐという問題は、行政と民間に関係なく抱えている問題であり、改善点である。現在、仙台市選挙管理委員会や仙台市教育委員会では、不正や不適切な対応が問題となっている。仙台市は統制を強化する目的で、今一度委員会制度の在り方を考えることも必要なのではないか。仙台市では、新市長により人事が刷新される可能性があり注目したい。

  参考ではあるが、地方自治制度は、日本国憲法に「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。」(第92条)とあり、地方自治法によって定められている。そして、地方自治法に基づき地方自治法施行令、地方自治法施行規則そして条例等を定め、運用されている。内容については、下記総務省のホームページにまとめられているのでそちらを参照していただきたい。地方自治制度について網羅的にまとめたものであり、非常に見やすく、詳細でわかりやすい。

総務省 「地方自治制度の概要」

http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/bunken/gaiyou.html

 

                                    以上